【開催報告】高齢者の財産管理に関する知識~認知症を患う方のために~
公開日:2015年7月6日
7月3日に研修「高齢者の財産管理に関する知識~認知症を患う方のために~」を開催いたしました。
当日実施しましたアンケートの集計結果を掲載いたします。
また、アンケートの中での質問に講師の内田先生がお答えくださいましたので以下でご紹介いたします。
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ご意見の中でありました、リビングウィルの点につきましては、被後見人本人が意思表示できない状態で、後見人に就任したような場合だと、医療同意権が無い以上、親族の後見人は別として、第三者の後見人が処置に対して意見を言うことは難しいと思います。形に残らないので、後々、紛争になることも想定されます。仮に、法律上、後見人に医療同意権があったとしても、後見状態にある方の人生を顧み、判断を下すということは非常に難しい問題だとは思います。この点は、今後の課題のように思います。ただし、任意後見等を利用すれば、本人の元気なうちに、公正証書を利用して、ある程度、医療行為に関する意思表示はできるかもしれません。また、保佐、補助状態であれば(後見状態でも意思表示が可能であれば)、医師の立ち会いの下、公証人に公正証書を作成してもらうなどの方法が可能かもしれませんが、経験がないので、はっきりとしたご回答ができません。後見人を仕事として割り切る仕組みはないのか、とのご意見についてですが、専門職は、財産や収入が少額な方を除いては、家庭裁判所から報酬付与がなされ、本人の財産から報酬をいただくことができます。これに対し、財産等が少額な方については、報酬が財産等に応じて決定されるという仕組みであるため、仕事に応じて報酬をいただける訳ではありません。ただし、要件を満たせば、市町村が実施する成年後見制度利用支援事業による報酬助成やリーガルサポートなどが設立した基金から報酬の助成を受けることもできます。医療保険や介護保険のような保険制度があれば良いのかもしれませんが、そういう意味では、もっと成年後見制度に関わる方が増えて、色々な意見が出てくることで、制度が充実していくかもしれませんね。
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ご参加くださいました皆さま、内田先生ありがとうございました。